検針票を見て「あれ、また上がってる」と思ったこと、ここ最近ありませんか。うちもそうでした。原因を探したら、東北電力が2026年11月1日に電気料金を見直すことが公式に発表されていました。
今回の値上げは「従量電灯B」だけの話じゃありません。「よりそう+ナイト8」も「よりそう+ナイト&ホリデー」も対象です。東北電力が公表した単価一覧表を一つずつ確認して、いくら上がるのか正直に書いていきます。
- 東北電力は2026年11月1日から電気料金を見直します。原因は送配電設備の利用料金「託送料金」の変更分を反映するため(東北電力公式、2026年9月28日発表)。
- 標準的な家庭(従量電灯B・30A・月260kWh)で月485円増(+5.9%)、8,689円になると公式発表。ただし国の電気・ガス料金支援(1kWhあたり3円50銭)は2026年10月請求分で終了するため、体感の値上げ幅はこれより大きくなります。
- 「よりそう+ナイト8」「よりそう+ナイト&ホリデー」も対象。夜間の電力量料金はどちらも1kWhあたり1円29銭〜1円32銭の値上げです。
- 電気を買う単価が上がるほど、太陽光や蓄電池で自家消費する価値も上がります。後半で具体的な差額を計算しました。
何が変わるのか。原因は「託送料金」
電気料金には、小売電気事業者が送配電会社に払う「託送料金」という部分が含まれています。発電所から家庭まで電気を運ぶための、いわば道路使用料です。
この託送料金が2026年11月1日から変わることになり、東北電力はその変動分を基本料金と電力量料金に反映すると発表しました(東北電力「託送料金の変更に伴う電気料金の見直し等について」2026年9月28日公表)。経済産業大臣への変更届出も済ませています。
対象は従量電灯B・Cだけではありません。「低圧自由料金」、つまり「よりそう+」シリーズ全体と、高圧・特別高圧の契約も同様に見直されると、公式ページにはっきり書いてあります。
標準家庭でいくら上がるのか
東北電力が示したモデルケースはこうです。従量電灯B・契約電流30A・月間使用電力量260kWhの家庭で、見直し前と比べて485円増加(+5.9%)、8,689円(東北電力公式、2026年9月時点)。
| 区分 | 現行単価 | 見直し後単価 | 変動幅 |
|---|---|---|---|
| 基本料金(30A・1契約) | 1,108円80銭 | 1,232円13銭 | +123円33銭 |
| 電力量料金・最初120kWhまで | 29円62銭 | 31円01銭 | +1円39銭 |
| 電力量料金・120〜300kWh | 36円37銭 | 37円76銭 | +1円39銭 |
| 電力量料金・300kWh超 | 40円32銭 | 41円71銭 | +1円39銭 |
出典:東北電力「電気料金単価一覧表(2026年11月1日実施)」(2026年9月28日公表の添付資料、2026年10月確認)。
ここで一つ注意が必要です。この8,689円という数字、2026年10月分の燃料費調整単価をそのまま使った試算なんですよね。公式ページの注記にこう書いてあります。
「国の電気・ガス料金支援の適用は2026年10月分までとなります」
つまり11月分の実際の請求書では、1kWhあたり3円50銭の国の補助がなくなります。これは託送料金の値上げとは別枠の話です。
地元紙の報道では、この両方を合わせた実際の請求額として、10月請求分から1,486円増(+18.1%)、月9,690円になるという数字が出ています(東奥日報、2026年9月30日報道)。公式発表の「485円・5.9%」は制度変更だけを切り出した試算、報道の「1,486円・18.1%」は国の補助終了まで含めた実額に近いもの。両方とも正しいのですが、比べている土台が違うので、ここは混同しないようにしたいところです。
「よりそう+ナイト8」はいくら上がるか
うちも含めて、すでにナイト8を契約している人が一番知りたいのはここだと思います。ナイト8は2023年3月末で新規受付を終了したプランですが、すでに契約している人はこれからも使い続けられます。値上げもその対象に入ります。
| 区分 | 現行単価 | 見直し後単価 | 変動幅 |
|---|---|---|---|
| 基本料金(主開閉器契約・6kVA以下) | 1,667円60銭 | 1,914円26銭 | +246円66銭 |
| 基本料金(主開閉器契約・6kVA超〜10kVA) | 2,376円00銭 | 2,787円10銭 | +411円10銭 |
| 電力量料金・昼間 最初90kWhまで | 31円17銭 | 32円60銭 | +1円43銭 |
| 電力量料金・昼間 90〜230kWh | 39円21銭 | 40円64銭 | +1円43銭 |
| 電力量料金・昼間 230kWh超 | 43円91銭 | 45円34銭 | +1円43銭 |
| 電力量料金・夜間(23時〜7時) | 27円64銭 | 28円93銭 | +1円29銭夜間 |
出典:東北電力「電気料金単価一覧表(2026年11月1日実施)」(2026年10月確認)。実量契約の基本料金も同様に値上げ対象です(6kW以下:2,261円60銭→2,594円06銭)。
夜間は1kWhあたり1円29銭の値上げ。昼間3段階はどこも1円43銭の値上げで、金額としてはそろっています。正直、託送料金の値上げなので、時間帯による差はあまり出ないということなんだと思います。
「よりそう+ナイト&ホリデー」はいくら上がるか
これから新規で申し込める、現役の夜間お得プランです。前回の記事でも少し触れましたが、こちらも11月の見直し対象です。
| 区分 | 現行単価 | 見直し後単価 | 変動幅 |
|---|---|---|---|
| 基本料金(6kVA) | 2,877円60銭 | 3,124円26銭 | +246円66銭 |
| 平日昼間 最初60kWhまで | 34円79銭 | 36円28銭 | +1円49銭 |
| 平日昼間 60〜140kWh | 43円55銭 | 45円04銭 | +1円49銭 |
| 平日昼間 140kWh超 | 50円11銭 | 51円60銭 | +1円49銭 |
| 平日夜間・休日 | 27円27銭 | 28円59銭 | +1円32銭対象時間 |
出典:東北電力「電気料金単価一覧表(2026年11月1日実施)」(2026年10月確認)。基本料金は3kVA〜6kVAまで4段階あり、いずれも値上げ幅はほぼ同率です。
平日昼間の値上げ幅(1円49銭)のほうが、夜間・休日(1円32銭)よりわずかに大きい。差額自体は小さいですが、昼間の使用量が多い家庭ほど、値上げの影響をやや強く受ける計算になります。
値上げは「売る」と「使う」の差をさらに広げる
ここから先は蓄電池・太陽光を考えている人向けの話です。
今回の値上げで、ナイト8の昼間単価は31円17銭から32円60銭に上がりました。一方、卒FIT後に東北電力が太陽光を買い取る単価は9円/kWhのままです(売電単価は今回の見直しの対象ではありません)。
買う値段は上がって、売る値段は変わらない。差は広がる一方で、22円から23円43銭に開きました。1kWhの電気を売らずに自分で使えば、そのぶんだけ得が増えるということです。
同じことは2026年度の新FIT(5〜10年目は8.3円/kWh)を使う人にも言えます。売電単価が年々下がっていくのに、買電単価は上がっていく。この「はさみ状」の構図が、今回の見直しでまた一段階進んだことになります。
蓄電池や太陽光の導入を迷っている人にとっては、損得の計算がまた少し変わったということ。正直、楽観的に煽るつもりはありませんが、自家消費の価値が下がる方向の材料は今のところ見当たりません。
国の補助が切れることも、合わせて覚えておきたい
繰り返しになりますが、11月請求分からは国の電気・ガス料金支援(1kWhあたり3円50銭)がなくなります(東北電力公式の注記、2026年9月時点)。これは電力会社やプランを問わず、全契約共通です。
再エネ賦課金(2026年度は1kWhあたり4円18銭)と燃料費調整額は、今回の見直しとは別に毎月動きます。実際の請求額は、検針票の内訳欄で確認するのが一番確実です。
複数の値上げ要因が同じタイミングで重なるのは、正直ちょっとややこしい。でも、それぞれ原因が違うものなので、分けて見ておくと家計の見通しが立てやすくなると思います。
実際にいくらかかるか、どの機種が合うかは、家庭の電気の使い方で大きく変わります。気になったら、まず無料の一括見積もりで自宅に合った容量と費用を確認してみてください。見積もりを取るだけなら1円もかかりませんし、複数社を比べると数十万円の差が出ることも珍しくありません。
まとめ:値上げの正体は託送料金+国の補助終了の二段構え
東北電力は2026年11月1日から電気料金を見直します。託送料金の変動分で、標準家庭は月485円(+5.9%)の値上げ。ここに、10月請求分で終わる国の補助(1kWhあたり3円50銭)がなくなる分が加わり、実際の請求額はさらに上がります。
「よりそう+ナイト8」「よりそう+ナイト&ホリデー」も対象で、夜間の電力量料金は1kWhあたり1円29銭〜1円32銭の値上げ。金額だけ見ると小さいですが、年間で積み上がれば数千円単位になります。
買う電気が高くなるほど、太陽光や蓄電池で自分の電気を自分で使うことの価値は上がっていく。値上げのたびに、その計算をやり直す。地味ですが、そういう積み重ねが一番確実だったりします。
※単価は2026年11月1日実施の東北電力公式「電気料金単価一覧表」(2026年9月28日公表、2026年10月確認)に基づきます。再エネ賦課金・燃料費調整額は別途毎月加算され、変動します。報道による実額(9,690円・+18.1%)は東奥日報2026年9月30日の記事を出典とし、公式試算(485円・+5.9%)とは前提(燃料費調整額の算定時点)が異なります。契約内容・使用量により実際の金額は変わりますので、最新の条件はご契約先にご確認ください。
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