北上市の蓄電池補助金は上限20万円、ただし条件は3つ【2026年】

補助金・助成金
北上で蓄電池、先に結論
  • 北上市には市の補助がある。ただし太陽光とセットが必須で、蓄電池だけでは1円も出ない。
  • 蓄電システムは1kWhあたり2万円・上限20万円。受付は令和9年2月26日まで。
  • 市内に事業所がある業者の施工、そして着工前の申請。どちらも外すと対象外。
  • 国のDR補助金は2026年5月29日に終了。次の公募は未発表。

北上は岩手でも指折りの工業のまち。大きな工場や企業が集まって、人も家も増え続けている。新しい住宅地もどんどんできて、「新築に太陽光と蓄電池、載せる?」と悩む人が多いエリアです。

うちも岩手に住んでいるので、地元目線で正直に書きます。北上市の補助は、他の市町村と比べてもかなり手厚い。ただし条件が3つあって、どれかひとつでも外すと1円も出ません。そこまで含めて書きます。

制度の名前は「おひさまパワー」。蓄電池だけでは使えません

正式名称は「令和8年度北上市住宅用おひさまパワー活用設備設置費補助金」。

最初に、いちばん引っかかりやすいところから。この補助は、太陽光発電システムと蓄電システムをセットで設置する場合が対象です。蓄電システム単体での申請はできません。

「家に太陽光はもう載ってるから、蓄電池だけ足そう」という人は、残念ながらこの枠は使えない。ここを勘違いしたまま業者と話を進めると、あとで全部やり直しになります。

いくらもらえるのか

金額は分かりやすく決まっています。

  • 蓄電システム:1kWhあたり2万円・上限20万円
  • 太陽光発電(新築):1kWあたり2万円・上限19万8千円
  • 太陽光発電(既築):1kWあたり3万円・上限29万7千円

蓄電池は10kWh入れれば上限の20万円に届きます。家庭用の主流は5〜10kWh帯なので、大きめを選ぶ人は満額。

おもしろいのは既築のほうが太陽光の単価が高いところ。1kWあたり新築2万円に対して既築3万円で、上限も29万7千円と1.5倍。すでに建っている家に後から載せる人を、市が後押しする設計になっています。

既築で太陽光10kWと蓄電池10kWhを入れれば、29万7千円+20万円で49万7千円。これは大きい。

受付は令和8年4月1日から令和9年2月26日まで。担当は環境政策課環境係、電話0197-72-8281です。

落とし穴は3つ。全部「順番」と「相手」の話

金額は分かりやすいのに、ここでこぼれる人が出ます。

①太陽光とセットで設置すること。 蓄電池だけは不可。これがいちばん多い勘違いだと思います。

②北上市内に事業所を有する施工業者が施工すること。 ネットで安い業者を見つけても、北上に拠点がなければ対象外です。見積もりを取る段階で「北上市内に事業所はありますか」と聞いてください。

③設備を設置する前に申請すること。 工事が始まってからでは通りません。良かれと思って業者が先に動いてしまうパターンが一番もったいない。最初の打ち合わせで「補助金を使うので着工前に申請します」と宣言しておくのが確実です。

予算の総額は公表されていません。ただ受付期間が2月末まであっても、予算が尽きた時点で終わるのが補助金の常。受付期間の長さを当てにして秋まで寝かせるのは、おすすめしません。

国の枠も、北上のセット条件と同じように閉じている

北上のおひさまパワーと同じく太陽光とのセットで使えるはずだった国のDR家庭用蓄電システム導入支援事業(1申請上限60万円)も、2026年5月29日の予算到達で公募終了済みです。12月10日までの予定が、半年以上前倒しで閉まりました。令和8年度補正の予定は、2026年9月時点で資源エネルギー庁・SIIどちらからも発表がありません。

今の北上で確実に狙えるのは市のおひさまパワーだけ。新築を建てるなら、さらに県の枠が重なります。

新築なら、市の49万7千円に県の35.7万円を重ねられる

新築で太陽光10kW・蓄電池10kWhを入れて市の49万7千円を取ったうえで、さらに県の「いわて省エネルギー住宅建設推進事業費補助金」も使えます。蓄電池5.1万円/kWh×7kWh=上限35.7万円、太陽光は必須で上限35万円、断熱等性能等級6・7なら100万〜180万円が上乗せされ、合わせて最大257.3万円。受付は令和8年5月18日〜12月4日、県土整備部建築住宅課(019-629-5934)。

条件は岩手型住宅賛同事業者か岩手県地域型復興住宅地域住宅生産者グループの登録事業者が建てること。ハウスメーカーを決める前にこの登録の有無を必ず聞いてください。契約後に「登録していません」と分かると、35万円がまるごと消えます。

市の20万円は定額だからこそ、業者選びがそのまま損得になる

北上の蓄電システム補助は1kWhあたり2万円・上限20万円という定額設計です。補助額が固定されているぶん、業者の見積もりが高ければ高いほど、自己負担の増え方がそのまま家計を圧迫します。参考までに、閉じた国の制度には「12.5万円/kWhを超えると申請不可」という目標価格ルールがありました。10kWhなら125万円が目安ラインです。

国の補助はもう使えませんが、この水準感は業者の見積もりが相場から外れていないかを見るものさしとして今も使えます。

定額補助だからこそ、工事費そのものの比較が効きます

同じ機種でも業者によって数十万円ちがいます。補助額が固定だからこそ、工事費が高い業者に当たると自己負担がそのまま増えます。お住まいの地域の優良業者を最大5社まで無料で一括比較できます。見積もりだけの利用でもOKです。

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工業のまちの冬は、北上川と和賀川が合流する盆地の冷え込み

北上市は面積約437.55km²、人口はおよそ9.1万人(北上市公式、2026年9月1日時点推計人口)。北上川と和賀川が合流する地点に広がる内陸の工業都市で、工場も住宅地も増え続けています。冬は盆地らしく氷点下の朝が多く、雪の日もあります。

リチウムイオン蓄電池は寒さで一時的に性能が落ちます。屋内か風下の軒下に置く、動作下限温度をカタログで確認する、太陽光とセットが条件なので雪で発電しない日がある前提で容量を決める。北上は新築の多いまちなので、設計段階で置き場所まで決められる人が多く、後付け組より有利に進められます。

今日やること、3つだけ

  1. 環境政策課(0197-72-8281)に電話して、今年度の予算がまだ残っているか聞く。これが一番早い
  2. 北上市内に事業所がある業者を含めて、複数社から見積もりを取る。市外業者だけだと補助が使えない
  3. 契約したら、着工前に申請。順番を守る

工業のまちで所得も家も動いている北上は、業者の選択肢も多い。だからこそ1社で即決せず、セット条件・市内業者・着工前申請——この3つだけは、契約前に必ず押さえてください。同じ岩手の人間として、そこだけは強めに言っておきます。

※本記事は2026年9月時点で、北上市・岩手県・資源エネルギー庁およびSII(環境共創イニシアチブ)の公式情報を確認して書いています。補助金の金額・期間・条件は年度と予算で変わり、予算上限に達した時点で受付が終了します。申請前に必ず北上市公式ホームページ「住宅用おひさまパワー活用設備設置費補助金」で最新情報をご確認ください。問い合わせは北上市 環境政策課環境係(0197-72-8281)、岩手県 建築住宅課(019-629-5934)へ。

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この記事を書いた人
くまがい

岩手県在住。冬の電気代の高さに頭を抱えて、蓄電池と太陽光を本気で調べ始めた一般家庭の当事者です。メーカーや販売店とは無関係なので売り込みはなし。自作の蓄電池シミュレーターと電卓片手に、「うちの場合は得なのか」を数字で確かめながら書いています。

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