「太陽光発電の売電価格って、今はいくらなの?」
太陽光発電を検討している方なら、まず気になるのが売電価格でしょう。結論から言うと、2026年度の住宅用太陽光発電(10kW未満)の売電価格は15円/kWh前後です。
2012年度の42円/kWhと比べると、約3分の1にまで下がっています。「こんなに安いなら、もう太陽光は損なのでは?」と思うかもしれません。
しかし、売電価格だけを見て判断するのは早計です。電気料金の単価が25〜35円/kWhまで上がっている今、「売る」より「自分で使う」ほうが圧倒的に得な時代になっています。
この記事では、2026年度の売電価格の最新情報、過去の推移、そして売電価格が下がっても太陽光発電が得である理由をわかりやすく解説します。
2026年度の太陽光発電 売電価格(FIT買取価格)
2026年度の太陽光発電の売電価格(FIT制度による固定買取価格)は、以下のとおりです。
| 区分 | 売電価格(税込) | 買取期間 |
|---|---|---|
| 住宅用(10kW未満) | 15円/kWh | 10年間 |
| 事業用(10kW以上50kW未満) | 10円/kWh前後 | 20年間 |
| 事業用(50kW以上) | 入札制 | 20年間 |
※売電価格は経済産業省の調達価格等算定委員会が毎年決定します。正式な価格は資源エネルギー庁のWebサイトでご確認ください。
住宅用の太陽光発電を導入する方が最も多いため、この記事では主に10kW未満の住宅用について解説していきます。
ポイントは、FIT制度で認定を受けた年度の売電価格が10年間固定されるということ。つまり、2026年度中に申請・認定を受ければ、2036年度まで15円/kWhで売電できます。
過去の売電価格推移|42円から15円まで下がった歴史
太陽光発電の売電価格は、FIT制度が始まった2012年度から年々下がり続けています。住宅用(10kW未満)の推移を見てみましょう。
| 年度 | 売電価格(税込) | 前年比 |
|---|---|---|
| 2012年 | 42円/kWh | ― |
| 2013年 | 38円/kWh | -4円 |
| 2014年 | 37円/kWh | -1円 |
| 2015年 | 33円(出力制御なし)/ 35円 | -2〜4円 |
| 2016年 | 31円(出力制御なし)/ 33円 | -2円 |
| 2017年 | 28円(出力制御なし)/ 30円 | -3円 |
| 2018年 | 26円(出力制御なし)/ 28円 | -2円 |
| 2019年 | 24円(出力制御なし)/ 26円 | -2円 |
| 2020年 | 21円 | -3〜5円 |
| 2021年 | 19円 | -2円 |
| 2022年 | 17円 | -2円 |
| 2023年 | 16円 | -1円 |
| 2024年 | 16円 | 0円 |
| 2025年 | 15円 | -1円 |
| 2026年 | 15円前後 | 0〜-1円 |
※2015〜2019年は出力制御対応機器の設置義務の有無で価格が異なります。2020年以降は統一されました。
14年間で42円から15円へ、約64%の下落です。
なぜここまで下がったのでしょうか。理由は明確で、太陽光パネルの価格が大幅に下がったからです。FIT制度の売電価格は「設備費用+適正な利潤」を基に算定されています。パネルの価格が下がれば、それに応じて売電価格も下がる仕組みです。
つまり、売電価格が下がったのは悪いニュースではなく、設備が安くなったことの裏返しでもあるのです。
売電価格が下がっても太陽光は得なのか?
「売電価格が15円なら、太陽光はもう得じゃないのでは?」
この疑問を持つ方はとても多いですが、結論から言うと、2026年の太陽光発電は「自家消費」で考えれば十分に得です。
電気料金と売電価格の逆転現象
ここが最も重要なポイントです。
| 項目 | 単価 |
|---|---|
| 家庭の電気料金単価(従量電灯の第3段階) | 約25〜35円/kWh |
| 太陽光の売電価格(2026年度) | 約15円/kWh |
| 差額 | 10〜20円/kWh |
電気を電力会社から買うと25〜35円かかりますが、太陽光で発電した電気を自分で使えば、その分の電気代を「節約」できます。
一方、同じ電気を売電すると15円にしかなりません。つまり、発電した電気は売るより自分で使ったほうが10〜20円/kWhもお得という計算になります。
具体的な金額で比較してみる
4kWの太陽光発電システムを設置した場合のシミュレーションです。
前提条件 – 年間発電量: 約4,400kWh(4kW × 1,100kWh/kW) – 自家消費率: 30%(蓄電池なしの一般的な割合) – 電気料金単価: 30円/kWh – 売電価格: 15円/kWh
年間メリットの計算
| 項目 | 計算 | 年間金額 |
|---|---|---|
| 自家消費による電気代削減 | 4,400kWh × 30% × 30円 | 39,600円 |
| 余剰電力の売電収入 | 4,400kWh × 70% × 15円 | 46,200円 |
| 年間メリット合計 | 85,800円 |
年間約8.6万円の経済メリットがあります。ここで注目すべきは、発電量の30%しか自家消費していないのに、金額では自家消費の方が売電に近い貢献をしている点です。
売電価格が下がっても、電気料金が高い今だからこそ、太陽光発電の「自家消費」の価値が大きくなっているのです。
パネル価格も下がっている|投資回収は7〜10年
売電価格が下がった一方で、太陽光パネルの価格も大幅に下がっています。
| 時期 | 設置費用の目安(kWあたり) | 4kWシステムの総額 |
|---|---|---|
| 2012年頃 | 45〜50万円/kW | 180〜200万円 |
| 2018年頃 | 30〜35万円/kW | 120〜140万円 |
| 2026年現在 | 25〜30万円/kW | 100〜120万円 |
2012年と比べると、設備費用は約半額にまで下がっています。
投資回収シミュレーション
先ほどの年間メリット85,800円で計算すると、
| 設置費用 | 投資回収期間 |
|---|---|
| 100万円 | 約11.7年 |
| 100万円 − 補助金20万円 = 80万円 | 約9.3年 |
| 120万円 − 補助金20万円 = 100万円 | 約11.7年 |
自治体の補助金を活用すれば、おおむね7〜10年で初期費用を回収できる計算になります。太陽光パネルの寿命は25〜30年ですから、回収後は15〜20年以上にわたって利益を生み続けます。
パネルの価格が下がった分、売電価格が下がっても投資回収年数はそこまで変わっていない。これが「2026年でも太陽光は得」と言える根拠です。
蓄電池の元が取れるかどうかについては、以下の記事で詳しくシミュレーションしています。
関連記事: 蓄電池は元が取れる?10年シミュレーションで検証
余剰売電と全量売電の違い
太陽光発電の売電方式には「余剰売電」と「全量売電」の2種類があります。それぞれの違いを理解しておきましょう。
| 項目 | 余剰売電 | 全量売電 |
|---|---|---|
| 対象 | 10kW未満(住宅用) | 10kW以上(産業用) |
| 仕組み | 自家消費した残りを売電 | 発電した電気をすべて売電 |
| 売電価格(2026年) | 15円/kWh | 10円/kWh前後(入札制あり) |
| 買取期間 | 10年間 | 20年間 |
| メリット | 電気代削減+売電収入 | 安定した売電収入 |
| 向いているケース | 一般家庭 | 遊休地・事業用 |
住宅に設置する場合は、基本的に余剰売電になります。昼間に発電した電気をまず自宅で使い、使いきれなかった分だけを電力会社に売るという仕組みです。
注意すべきポイントは、10kW以上50kW未満の「低圧事業用」は、2020年度以降、余剰売電のみに変更されている点です。以前のように全量売電を選ぶことはできなくなりました(地域活用要件として自家消費率30%以上が必要)。
住宅用の太陽光発電を検討している方にとっては、「余剰売電+自家消費」が唯一の選択肢であり、先ほど解説したとおり、自家消費を増やすことが経済メリットを最大化するカギになります。
太陽光+蓄電池のセット導入で利益を最大化する方法
「自家消費のほうが得なのはわかった。でも、昼間は仕事で家にいないから、発電した電気をほとんど使えない…」
これは非常によくある悩みです。実際、蓄電池がない場合の自家消費率は約20〜30%にとどまります。せっかく発電しても、7〜8割は15円で売ることになってしまいます。
この問題を解決するのが、蓄電池との組み合わせです。
蓄電池で自家消費率が60〜80%に上がる
蓄電池を導入すると、昼間に発電した余剰電力を貯めておき、夜間や曇りの日に使えるようになります。
| 条件 | 自家消費率 | 年間メリット |
|---|---|---|
| 太陽光のみ(蓄電池なし) | 20〜30% | 約7〜9万円 |
| 太陽光+蓄電池(7kWh程度) | 60〜80% | 約11〜14万円 |
自家消費率が倍以上になることで、年間メリットも3〜5万円ほど増加します。
セット導入なら初期費用も抑えられる
太陽光発電と蓄電池を別々に導入すると、工事が2回必要になるため、足場代や人件費が余計にかかります。セットで導入すれば、工事費を10〜20万円ほど節約できるケースが多いです。
また、パワーコンディショナーも、太陽光と蓄電池を一台で制御できる「ハイブリッド型」を最初から選べるため、効率面でも有利です。
FIT期間終了後(卒FIT後)のメリットが大きい
FIT期間の10年が終わると、売電価格は大幅に下がります。大手電力会社の卒FIT後の買取価格は7〜9円/kWh程度です。
このとき蓄電池があれば、7〜9円で売るはずだった電気を自家消費に回して、25〜35円分の電気代を節約できます。蓄電池のメリットは、FIT期間終了後にさらに大きくなるのです。
卒FIT後の選択肢について詳しくは、こちらの記事で解説しています。
関連記事: 【2026年版】卒FIT後どうする?売電を続ける vs 蓄電池で自家消費、どっちが得か
まとめ|売電価格が下がった今こそ「自家消費」が正解
この記事のポイントをまとめます。
- 2026年度の住宅用太陽光発電の売電価格は15円/kWh前後
- 2012年の42円から年々下がり続け、14年間で約64%減少
- 売電価格が下がっても、電気料金(25〜35円)のほうが高いため、自家消費で十分に元が取れる
- パネル価格も半額以下に下がり、投資回収期間は7〜10年(補助金利用時)
- 住宅用は「余剰売電」方式。自家消費を増やすことが経済メリット最大化のカギ
- 蓄電池をセットで導入すれば自家消費率が60〜80%に上がり、年間メリットが3〜5万円増加
- 卒FIT後は蓄電池のメリットがさらに拡大する
「売電価格が下がったから太陽光は損」ではなく、「売電価格が下がったからこそ、自家消費+蓄電池で最大限に活用する時代」です。
まずは、ご自宅の屋根や電気使用量に合わせた太陽光+蓄電池のシミュレーションをしてみることをおすすめします。複数社から見積もりを取ることで、適正な価格とご家庭に最適なプランがわかります。
蓄電池の選び方やおすすめ製品については、こちらの記事もあわせてご覧ください。
関連記事 – 【2026年最新】家庭用蓄電池おすすめ5選|失敗しない選び方 – 【2026年版】蓄電池の補助金まとめ|最大60万円もらえる条件
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