東北電力のピークシフトプランで蓄電池は得か?年間節約額を正直に計算してみた

蓄電池

「東北電力にピークシフトプランってあるじゃないですか。蓄電池と組み合わせたら電気代すごく安くなるって聞いて…」

うち(岩手)でも同じこと気になって、実際に数字を出してみました。結論から言うと、思ったより回収に時間がかかる。でもそれを知った上で買うのと知らないで買うのは全然違う。

正直に計算します。

東北電力ピークシフトプランの料金体系

まずピークシフトプランの料金を整理します(2026年5月時点、東北電力公式より)。

時間帯 時間 単価(従量料金)
夜間 23時〜翌7時 10.92円/kWh
昼間(第1段階) 7時〜23時 19.73円/kWh(〜120kWh)
昼間(第2段階) 同上 26.91円/kWh(121〜300kWh)
昼間(第3段階) 同上 36.71円/kWh(300kWh超)
ピーク 9時〜21時(夏・冬の平日) 53.83円/kWh

夜間と昼間ピークで約5倍の差があります。「夜に安く充電して、昼に使う」という蓄電池の動きと相性が良さそうに見える。

実際にどのくらい節約できるか計算してみた

7kWhの家庭用蓄電池(よくある標準サイズ)で計算します。

前提条件

  • 蓄電池容量: 7kWh(使用可能容量は85%=5.95kWh)
  • 毎晩フル充電し、翌日昼に使い切ると仮定
  • 充電ロス: 10%(実際の充電効率を考慮)
  • 充電に必要な電力: 5.95kWh ÷ 0.9 ≒ 6.6kWh

1日あたりの節約額

夜に充電して昼に使わなかった場合、昼間の電気代がかかります。

  • 夜間充電コスト: 6.6kWh × 10.92円 = 72.1円
  • 節約できる昼間電気代: 5.95kWh × 36.71円(第3段階として計算)= 218.4円
  • 1日の差額: 218.4円 − 72.1円 = 146.3円

これが節約できる金額の上限です(最大値)。

年間節約額(現実的な計算)

ただし「毎日ピーク料金帯で5.95kWh使う」家庭は多くない。現実的には第2段階(26.91円)くらいが多いはず。

使用料金帯の想定 1日の節約 年間節約額
楽観(ピーク帯: 53.83円) 247.5円 約90,300円
現実(第3段階: 36.71円) 146.3円 約51,500円(←これ)
控えめ(第2段階: 26.91円) 87.5円 約31,900円

「現実」の列で見ると、年間約51,500円の節約。

蓄電池の価格と回収年数

7kWhの蓄電池、工事込みの実勢価格は100〜140万円くらいが多いです(2026年時点)。補助金なしで計算します。

  • 初期費用: 100万円(安い方で)
  • 年間節約: 51,500円
  • 回収年数: 100万 ÷ 5.15万 ≒ 約19.4年

ぶっちゃけ、長い。

家庭用蓄電池のメーカー保証は10〜15年が多い。19年使おうとすると、保証切れ後に4〜9年動かし続ける計算になる。

補助金があれば話は変わる

岩手県・花巻市の補助金(DR補助金含む)を使うと、実質負担額が60〜80万程度まで下がるケースがあります。

  • 実質負担60万円 ÷ 年間5.15万円 ≒ 約11.7年
  • 実質負担70万円 ÷ 年間5.15万円 ≒ 約13.6年

保証期間10〜15年の範囲に入ってきます。補助金を使えるなら、話は変わる。

※補助金の金額・条件は毎年変わります。申請前に必ず岩手県・各市町村の最新情報を確認してください。

ピークシフトプランに切り替えるデメリットも知っておく

ピークシフトプランは「昼間が高い」プランです。蓄電池なしで切り替えると、昼間の電気代が上がります。

特に注意が必要な家庭:

  • 在宅勤務で昼間ずっと家にいる
  • 電気調理器具をよく使う(IHや電子レンジ)
  • 蓄電池の充電が不足していて昼間に買電が発生する

蓄電池との組み合わせが前提のプランなので、蓄電池なしで申し込むのは逆効果になる場合があります。

停電のときは何時間持つ?(シミュレーターで確認)

節約だけじゃなく、停電対策としての価値も大きい。

うちで試したら、冬の東北で必要な家電(冷蔵庫・暖房・照明)だと7kWhで約20〜30時間くらい。夏の冷房なしなら40時間超えることも。実際に自分の家の機器で計算してみてください。

🔦 停電シミュレーター
蓄電池で「何時間もつか」を家電を選んで計算する
蓄電池の容量
冷蔵庫 50W
時間/日
LED照明(1部屋) 40W
時間/日
テレビ(32〜50型) 100W
時間/日
スマホ充電×2台 15W
時間/日
ノートPC 45W
時間/日
エアコン(6畳・弱) 500W
時間/日
エアコン(暖房・弱) 900W
時間/日
電子レンジ(20分/日) 1200W
時間/日
炊飯器(1回炊き) 700W
時間/日
電気毛布 80W
時間/日
灯油ファンヒーター(電源のみ) 30W
時間/日
給湯器(電源のみ) 50W
時間/日
0時間
1日の消費電力量
0 Wh
使える蓄電量
0 Wh
家電別の消費内訳

※蓄電池の実際に使える割合は容量の約85%(放電深度)、変換効率を考慮しています。実際の持続時間は蓄電池のメーカー・機種・使用状況・気温により異なります。

結論:正直な評価

東北電力ピークシフトプラン×蓄電池の組み合わせ、「得か損か」を一言で言うと:

補助金ありなら「ギリギリあり」、なしなら「回収が保証期間を超える」

判断基準をまとめると:

条件 判断
補助金で実質60万以下になる ✅ 検討価値あり
停電リスクが高い地域(豪雪・農村) ✅ 保険として価値あり
太陽光パネルと併用できる ✅ シナジーが大きい
補助金なし・太陽光なし ⚠️ 19年回収は現実的でない
「節電目的だけ」で入れる ❌ 蓄電池以外の手段を先に検討

「蓄電池を入れれば電気代が安くなる」は本当です。でも「元が取れるかどうか」は条件次第。正直、補助金と太陽光パネルがセットじゃないと、純粋な節電目的だけでは厳しい。

停電対策や太陽光との連携で考えるなら、価値は十分ある。買う前に補助金の申請状況を必ず確認してみてください。

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この記事を書いた人
くまがい

岩手県在住。冬の電気代の高さに頭を抱えて、蓄電池と太陽光を本気で調べ始めた一般家庭の当事者です。メーカーや販売店とは無関係なので売り込みはなし。自作の蓄電池シミュレーターと電卓片手に、「うちの場合は得なのか」を数字で確かめながら書いています。

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